こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「おう、話はついたかい? お三方、送迎のタクシーが来てるぜ」

今までの様子をずっと窺っていたのか、真人さんが腕を組みながらひょっこり現れた。

「SAKAIはうちのお得さんでもあった会社だ。倒産してもらっちゃ困る。汚ねぇ手を使いやがって、三人ともうちの店の出禁リストに名前入れておくぜ。お代はいらねぇからとっとと帰ってくんな」

「くっ……」

峰岸専務は悔しそうに眉を歪め、荒々しく足音を立てながらお座敷を出て行った。
立場を失った残りのふたりも苦虫を嚙み潰したような顔で、そそくさと無言でお座敷を後にした。

「酒井、遅れてすまなかったな、どうせこんなことだろうと思った。でも、よくやってくれた」

最上さんはまだお座敷に芸者さんや真人さんがいるというのに、堂々と私を抱きすくめた。

ああ。私、こうして最上さんの胸に帰ってこれたんだ……。

いまだに信じられない現実を、私は彼の胸の中で噛み締める。