こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

今にも掴みかかりそうな勢いで峰岸専務が最上さんを睨みつけたそのとき、最上さんのスマホに一本の電話がかかってきた。

「最上社長からだ。耳の穴かっぽじってよく聞くんだな」

かかってきた電話を取り、それをスピーカーにすると峰岸専務を睨み返してスマホを向けた。

『あ、そこに峰岸専務、高木常務に中根本部長もいるね? 楽しいお食事中すまない。息子から送られてきたデータ、しっかり聞かせてもらったよ』

最上社長は争いごとを一切好まない穏和な性格の人だ。こんな状況でも口調は明るい。

「も、最上社長、これには事情が……」

先ほどの威勢と打って変わって峰岸専務が社長の声にたじろぎ始める。

『ちょうど我が社でリストラの対象者を絞っていたところだったんだ。ちょうど三人ね。誰を選出するかは息子に任せてある』

え? リストラ……?

スマホから聞こえてくる最上社長の言葉に目が点になる。