こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「ふん、ふざけた真似をするからだ」

峰岸専務が私を蔑むように私を見下す。

「残念だったな。これで証拠もなくなった」

「それはどうかな?」

峰岸専務が気を取り直して会食の続きをしようと踵を返したそのときだった。縁廊下にもうひとりの気配を感じて顔をあげると、そこに立っていたのは――。

「も、最上さん……!?」

「酒井、大丈夫か?」

会いたくて、会いたくて、仕方のなかった人が目の前にいるのが信じられなかった。優しく腕を支えられて呆然としたまま立ち上がると、最上さんが「もう大丈夫だ」と笑みを向けてくれた。その瞬間、今までの緊張を解きほぐすように安堵感が私の身を包み込んだ。そして最上さんはすぐ後ろにいた小宮さんに「彼女を任せたぞ」と言って私を預けた。