こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「ああ、そういえば、木崎のやつが我々の計画にはもう賛同できないと先日言ってきまして、今夜も顔を出すように言いましたが、急な仕事がどうとか……」

中根本部長がやれやれとおしぼりで顔を拭きながら、意外な人物の名前を口にした。

木崎課長!? 我々の計画って?

「もうおひと方、いらっしゃるご予定でしたか?」

酒も進み、芸者さんのお座敷踊りを横目にそれぞれが今回の議題を話し出すと、私はさりげなく峰岸専務に尋ねた。

「ふん、土壇場になって怖気づいたんだろう。未来のソニリアのために私たちはとある計画を立てているんだ。今夜はそのための会合のようなものでな」

「計画……? ですか? どんなことでしょう?」

「知りたいか?」

「ええ」

いやらしい笑みを浮かべて峰岸専務が私を見る。そんな視線にも負けず、私も笑顔を取り繕った。

「私、こう見えましても学生のときに経済を学んでおりまして……。大手企業のお偉いさまから直接お話を伺う機会なんて滅多にありませんから、こういう機会は貴重です。さ、どうぞ」

私は峰岸専務をより酔わせて饒舌に語らせるよう、おちょこに日本酒をすかさず注いだ。