こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

アルバイトで給仕をしていたおかげか、私は慣れた手つきでお酌も料理の説明もそつなくこなした。それが逆に峰岸専務の目を引くことになり、「ずっと横にいろ」と言われて身動きが取れなくなってしまった。すると。

「私たちはソニリアという会社の役員連中なんだ」

峰岸専務が得意げに刺身をつまみながら私に言った。

「さようでございますか。御社のお名前、存じ上げております。ソニリアといえば、いまや世界をまたにかける発展企業ですので……先日も御社の新商品が雑誌で取り上げられておりましたのを拝見致しました」

「ふむ。なかなか感心な返しをするな」

私の答えにすっかり上機嫌になる峰岸専務。まさか、目の前の芸者がそこの社員だなんて夢にも思わないだろう。