こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「今夜はようこそおいでくださいました」

小春ちゃんに動きを合わせて、お座敷にあがると早速私は峰岸専務に声をかけられた。

「見慣れない芸者だな、新人か? ふむ、なかなか器量がいいな。こっちへ来てお酌をしてくれ」

「は、い」

いきなりのことで返事もぎこちない。「緊張しているんです」と小春ちゃんが笑顔でフォローしてくれるけれど、いまにも震えそうな手をぎゅっと握って峰岸専務の隣に座る。

「名前は?」

「菊乃と申します」

あらかじめ考えておいた名前を口にすると、峰岸専務はニヤっと笑った。