こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

緊張しない、緊張しない!

企画会議のプレゼンでもあまり緊張しなかったのに、慣れないことをするとこうも膝がガクガクになるのかと自分の肝の小ささを思い知る。

縁廊下からは壮大な日本庭園が灯篭に照らされて美しく広がっているけれど、それを綺麗だと思う余裕はない。

椿の間に通され、膝をついて挨拶の準備をする。そしてゆっくり襖が開くと、目の前ですでに会食を始めている高木常務、中根本部長そして峰岸専務と本社の中枢ともいえる顔ぶれを見て全身が固まった。そういえば、初めて私が参加した記載ミスの商品会議にも彼らは椅子にふんぞり返って座っていた。私の意見を鼻から相手にせず、嫌な笑い方をされたのを思い出して顔を曇らせた。

「凛ちゃん、頭を下げて」

隣の小春ちゃんに小声で言われて私は三つ指をついて頭を下げた。