お、重たい……。
芸者のかつらは予想以上に重量があり、鏡の前の私は小春ちゃんと同じように白塗りに真っ赤な口紅を施してまるで別人だった。自分でも自分の顔だとわからない。着付けは小春ちゃんに手伝ってもらい、淡い桃色の着物姿を見て思わずほうけてしまった。
「凛ちゃんよく似合う! このまま、芸者にならない? なんてね、冗談。あまりにも綺麗だからさ」
小春ちゃんは新人芸者の面倒もよく見ていると真人さんが言っていた。その通り、彼女は細かなところまでちゃんと整えてくれた。
「ありがとう。ソニリアは私の勤め先でもあるし、上の人たちがよからぬことを考えているなら、それを阻止したい。SAKAIのためにも」
私の決意を聞いた小春ちゃんは、私の背中をぽんっと軽く叩いて笑顔で言った。
「きっと大丈夫! 不安になったら顔に出るからね。お客さんは、結構そういうの気がつくから、でも凛ちゃんなら平気だよ」
なんの根拠のない励ましだったけれど、そう言われて元気づけられる。
私は着物の合わせ目にそっとスマホを忍ばせた。なにか重要なことを話しだしたらこれで録音して、決定的な証拠を最上さんに持っていく。それが私のミッションだった。
「小春、凛ちゃんいるか?」
芸者のかつらは予想以上に重量があり、鏡の前の私は小春ちゃんと同じように白塗りに真っ赤な口紅を施してまるで別人だった。自分でも自分の顔だとわからない。着付けは小春ちゃんに手伝ってもらい、淡い桃色の着物姿を見て思わずほうけてしまった。
「凛ちゃんよく似合う! このまま、芸者にならない? なんてね、冗談。あまりにも綺麗だからさ」
小春ちゃんは新人芸者の面倒もよく見ていると真人さんが言っていた。その通り、彼女は細かなところまでちゃんと整えてくれた。
「ありがとう。ソニリアは私の勤め先でもあるし、上の人たちがよからぬことを考えているなら、それを阻止したい。SAKAIのためにも」
私の決意を聞いた小春ちゃんは、私の背中をぽんっと軽く叩いて笑顔で言った。
「きっと大丈夫! 不安になったら顔に出るからね。お客さんは、結構そういうの気がつくから、でも凛ちゃんなら平気だよ」
なんの根拠のない励ましだったけれど、そう言われて元気づけられる。
私は着物の合わせ目にそっとスマホを忍ばせた。なにか重要なことを話しだしたらこれで録音して、決定的な証拠を最上さんに持っていく。それが私のミッションだった。
「小春、凛ちゃんいるか?」



