こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「私はただじっとして守られるだけなんて嫌なんです。最上さんが何も話してくれないなら、もういです!」

「おい、待て!」

「ほっといてください!」

くるりと背を向けると私は寝室へ転がり込んで、勢いよくドアを閉めた。
ずるずるとドアに背を預けながら膝が崩れ落ちる。しばらくするとリビングから彼の気配が消えた。

どうしてこうなっちゃったの?

お互いに好きって伝え合ったけど、これで私たち恋人って言えるのかな。

私たち、まだ全然わかり合えてないよ……。

最上さんと同じ髪の匂いがするのが嬉しかった。いつの間にか部屋の香りが服に染み付いているのも。同じ部屋の鍵を持って、同じ家に帰ってくるのが……楽しみだった。

けれど、いまさらな不安がこみ上げてきて、乾いた唇を噛む。

解けた糸に、まだ小さな固い結び目があるようだ。気持ちが通じていたと思っていたのは自分だけなのかと、私は膝を抱えて零れる涙をぐしぐしと拭った――。