それから数日後。

ただの会食だと思って会うだけあった人が、まさかシュエスコで出会った行きずりの男で、しかも同じ社内のコールセンター長だった。社長の息子がなぜ本社でなく、独立したコールセンターにいるのかわからなかったけれど、今はそんな理由はどうでもよく、とにかく父にひとこと……いや、ふたことみこと文句を言わなければ気が済まなかった。けれど、朝からずっと電話をしているのに夕方になってもつながることはなかった――。