こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

真人さんと前に電話をしたときには、まだなんのアイデアもなかった。ただ、会食するなら教えて欲しいとだけ伝えていたけれど、今、私の中でひとつの考えがあった。

「あの、その日鳳凰亭で給仕として働かせてくれませんか?」

『えっ?』

突拍子もない私の申し入れに真人さんが驚いた声を出す。

『そ、そりゃあ、年末で忙しいし……凛ちゃんがそう言ってくれるならうちは構わねぇが。まぁ、学生のときにバイトもしてくれてたし、要領はわかってるもんな』

働くと言ってもバイト代はいらない。目的は給仕としてソニリア上層部の会食の席に近づくためだ。数回しか顔を合わせたことないし、多分、顔は割れていないはず。

「きっとなにかわかるかもしれません、私……自分の目で耳で事実を確かめたいんです」

『凛ちゃん……』

SAKAIが倒産の危機に面している。そんな私に同情するように真人さんが私の名前を口にする。