真面目な話をしていたと思ったら、藪から棒に絵里奈がそんな質問を投げかけた。意表を突かれて俺としたことがつい顔に出てしまったらしく、絵里奈はクスクスと笑い出した。
「お兄ちゃんがそんな顔するなんて、いるのね?」
この手の話は大好物。というように興味津々に目をキラキラさせている。
「……結婚したい。と思っている人はいる」
「えっ!?」
言葉を濁しながら言うと、絵里奈は口元に手をあててあからさまに驚いた。それはそうだろう。今まで結婚したいなんて思う女はいなかった。絵里奈も俺の性格を知っているし、そんな俺の口から“結婚”と聞いて意外に思ったはずだ。
「お兄ちゃんに結婚を思わせるような人ってどんな人? 信じられない!」
まったく俺をなんだと思ってるんだ。俺だって人の子だ、女性を好きになって想うことくらい……。と口をついて出そうになった言葉を呑み込んで、酒井のことを思い浮かべた。
「お兄ちゃんがそんな顔するなんて、いるのね?」
この手の話は大好物。というように興味津々に目をキラキラさせている。
「……結婚したい。と思っている人はいる」
「えっ!?」
言葉を濁しながら言うと、絵里奈は口元に手をあててあからさまに驚いた。それはそうだろう。今まで結婚したいなんて思う女はいなかった。絵里奈も俺の性格を知っているし、そんな俺の口から“結婚”と聞いて意外に思ったはずだ。
「お兄ちゃんに結婚を思わせるような人ってどんな人? 信じられない!」
まったく俺をなんだと思ってるんだ。俺だって人の子だ、女性を好きになって想うことくらい……。と口をついて出そうになった言葉を呑み込んで、酒井のことを思い浮かべた。



