こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「中西さんのせいではありません。自分を責めないでください」

私がそう言うと、中西さんは目頭を親指と人差し指でぐっと抑えた。父が倒れたことを彼なりに責任を感じているのだろう。けれど、父のことは誰のせいでもない。

「……昔から付き合いのある私と同級生だった男がたまたまSAKAIの取引先で仕事をしていて、気になることを教えてくれたんです。こんなことを最上さんに言うのは本当に心苦しいのですが」

言ってもいいものなのだろうかと、中西さんは言葉を濁し俯いた。

「話してくれませんか?」

その迷いを最上さんが払拭するように促すと、中西さんは小さく喉を鳴らして顔をあげた。

「ソニリアの企画部に木崎という方はいませんか?」

まさか、ここで木崎課長の名前を聞くことになるなんて予想外だった。私は驚きを隠せず口元を押さえた。

「ええ。木崎は確かにうちの社員ですが……彼がなにか?」

最上さんも木崎と聞いて眉を顰めた。