こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「す、すみませ……」

すると、最上さんの腕がすっと伸びて私を勢いよくその胸に抱きしめた。

「いいんだ。こんなときくらい我慢するな」

人は誰しも我慢ならないときがある。不思議と最上さんの前では弱い自分になってしまう。けれど、そんな私を彼はいつだって許して、そして見守ってくれる。だからこんなにも感情をさらけ出せるのだ。

最上さんのシャツを握りしめ、堪えることのできない嗚咽を宥めるように彼は何度も私の頭を優しく撫で続けた。