私はおもむろに最上さんに身体を向け、顔をあげる。
「酒井……」
最上さんは悲痛な面持ちで私を見つめ、かける言葉を探しているようだった。
「い……や、いや……お願い、私をひとりにしないで、お父さんを連れて行かないで!」
どんなことがあっても動揺なんかしないでいつも毅然と振舞うように心がけていたというのに、私はまるで子どものように溢れる涙を押さえることなく泣きじゃくった。
「しっかりしろ。お前は――」
そのとき、最上さんが私になにか語りかけたけれど、頭の中がぐちゃぐちゃでなにを言っていたのかわからなかった。
「酒井……」
最上さんは悲痛な面持ちで私を見つめ、かける言葉を探しているようだった。
「い……や、いや……お願い、私をひとりにしないで、お父さんを連れて行かないで!」
どんなことがあっても動揺なんかしないでいつも毅然と振舞うように心がけていたというのに、私はまるで子どものように溢れる涙を押さえることなく泣きじゃくった。
「しっかりしろ。お前は――」
そのとき、最上さんが私になにか語りかけたけれど、頭の中がぐちゃぐちゃでなにを言っていたのかわからなかった。



