こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

会社を出たところでふと名前で呼び止められて足を止めた。目の前に立っている人物に目を見張る。

「木崎課長……」

本社から異動になって、もう会う機会もないだろうと思っていた。けれど、こんなすぐに遭遇するとは予想外だった。

「こんなところでどうしたんですか?」

わざと素っ気ない口調で言うと、木崎課長は眉を少し曇らせた。

「今から帰りか? 少し時間が欲しい。話したいことがあるんだ」

「話したいこと?」

「ああ。ここでできるような話じゃない。場所を変えよう」

それを口実に食事して、ホテルに行って……。木崎課長の考えは大抵予想がつく。