こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

「最上さん、今朝から会議みたいで……すみません、私の説明って下手ですよね、あ、こっちが売店です。昼時はいつも混んでて、私は外のコンビニに行っちゃうんですけど」

遠慮がちに高村さんはセンター内のことを細かく案内してくれた。

「酒井さんは本社の企画部にいたって聞きました。ソニリアの商品については詳しいと思います。だから、テクニカルサポート部に配属されたんですね」

「そ、そうなんですかね……何も聞かされずにいきなり異動になったもので、なんで私が異動になったのか未だに不明なんですけど……」

最初は木崎課長とのことがあっての異動なのかと思っていた。けれど、実際は……最上さんの差金だった。まさかそんなことを話せるわけもなく、あははと笑って誤魔化した。

「本社の企画部だった人が来てくれると心強いです。商品を本当に理解していないと、お客様にも正確お答えできないので……新人のオペレーターとかはよく本社に問い合わせてるみたいですけど……」

確かに今までに何度かコールセンターから商品についての問い合わせや確認の電話を受けたことがある。企画して世に出したのはいいけれど、お客様からの問い合わせの矛先はここなのだ。そう思うと、商品を作った事だけに満足してその後のことをあまり考えていなかったかもしれない、と改めて思わされた。