黙っていればいいのに。と思わず口をついてしまいそうなほど、近くで見れば見るほど彼はいい男だった。第一印象は最悪だったけど、話していくうちに話題の引き出しが多くてつい「ホストですか?」と尋ねたらムッとされてしまった。
「だったら営業とか?」
「ハズレ」
初対面なのにあまり根掘り葉掘り聞くのも……と思いつつ、あれこれと尋ねてしまう。不思議と彼に興味をそそられた。海外で生活をしていたこともあったらしく、特にイギリスでの留学話は今まで一度も海外に行ったことのない私にとって斬新だった。
「お前、さっきから俺に質問してばかりだな。今度は俺の質問に答えろ」
なんとも横暴な言い方だけれど、彼と話しているうちにそんな口調にもすっかり慣れてしまった。
「名前は?」
「……館野麻衣子です」
顔を覗き込まれて私はパッと視線を逸らす。
「だったら営業とか?」
「ハズレ」
初対面なのにあまり根掘り葉掘り聞くのも……と思いつつ、あれこれと尋ねてしまう。不思議と彼に興味をそそられた。海外で生活をしていたこともあったらしく、特にイギリスでの留学話は今まで一度も海外に行ったことのない私にとって斬新だった。
「お前、さっきから俺に質問してばかりだな。今度は俺の質問に答えろ」
なんとも横暴な言い方だけれど、彼と話しているうちにそんな口調にもすっかり慣れてしまった。
「名前は?」
「……館野麻衣子です」
顔を覗き込まれて私はパッと視線を逸らす。



