放課後になると、私と萌愛は帰る支度をした。

教科書、筆記用具、大きい物から順に入れて教室を後にす

る。

下校時刻になると、流石に廊下は生徒の数でいっぱいだっ

た。

ふざけあう生徒もいれば、楽しそうに話す生徒もいる。

私は、その中を静かに通り過ぎていく。

君がこの場にいたら、ふざけあって、楽しそうに話すことも

できたのかな…?

「何してるのー?凛ー?」

いつの間にか、萌愛から離れていて、遠くの方で手を降って

待っていた。

「ごめんー!今行く!」

私は、萌愛の方へ走り寄る。

あの日のことを思い出せば、頭に血が登る位自分を恨むばか

り。

でも、起きたことは二度と戻らない…。

それは、経験した私が一番よく分かっていた。

あの日から私は、自分のことが嫌いになっていった。

光を奪われたその悲しみに、私は永遠に思うだろう…。

君のことを……。