「ふぅ…。」
何とか人混みを抜けて一息つく。
私は沙耶と違ってそこまで人混みが得意ではない。
ただ、家にいるぐらいならこういう所にいた方がましだ。
気が紛れる。
余計な事考えなくてすむ時間は凄い楽だ。
「はぁー…戻ろ。」
さっきまで私がいた所に戻っている途中、沙耶が何かを探しているように回りをキョロキョロしてしていた。
さっき一緒にいた男の人とはぐれて探しているのかな?
沙耶に近寄り、肩をポンポンと叩く。
沙耶は私の方を振り向き、大きく目を開いたあと、安心したような顔をした。
「よかったー。あんたいなかったから心配したじゃん。連絡も返ってこないし」
そう言われて携帯の画面を開くと、何通ももメッセージが届いていた。
「あ、ごめん。今見た」
「いいよ、いったん出ようか。疲れたでしょ」
沙耶優しく私の手を引き、クラブから出た。
室内とは違い、外には静けさが広がっていた。
騒がしい所から出たせいで尚更静かに感じる。
「風、気持ちいいね~」
そういってまだ全然酔っぱらってない沙耶は、近くのコンビニに入った。
数分後。沙耶の手元にはビニール袋が二つぶら下がっていた。
