Happiness of the form ~幸せのかたち~



男より先にお風呂に入った私は、男がお風呂入り終わるのを待っていた。
ふと携帯を見ると、沙耶からメッセージが届いていることに気づく。

『ちひろ!今日ありがとう、また明日ね!』

『うん、おやすみ』とだけ返事を返して携帯を閉じる。

「おまたせ~」

腰にタオルを巻いてるだけの男は電気を消し、一気に私を押し倒す。
男は私の首元に顔を埋め、乱暴に私の肌を舐めまわす。
私はその行為に逆らうここはない。

「泊まらすだけで君みたいなかわいい子とできるならずっとここにいていいよ。」

男は耳元で囁き、その顔はだんだんと私の顔の方へと近づいてくる。

ーガチャ

「おい拓也ー。」

突然玄関からやってきた男の声に私たちの動きは止まる。
声の主はスタスタと進んできて、すぐ近くで立ち止まった。
私は男の方を振り向かないで起き上がり、洋服をつける。

「拓也お前なー、女連れ込むなら鍵ぐらいかけろよなー。」

そもそも人の家には勝手に入っちゃいけないと思うんだけど。

「いや、鍵かけたら蓮(れん)さん怒るじゃないですか。今日は何かあったんすか?」

先ほどまで私の上に乗っかっていた男はどうやら下の立場らしく、いきなり入ってきた蓮と呼ばれた男に敬語をつかっていた。

どうでもいいけど、行為を邪魔されたことに私はムカついているんだよね。
さっさと終わらせて眠りたかったのに。
洋服を着た私は改めて振り返る。

あれ…。
この男どこかで…。
グレーの髪色に青色のメッシュ。
何より、とても綺麗な顔だち。
クラブでぶつかった男だ。
こんな綺麗な顔を忘れるわけがない。
あっちは私のことなんて忘れているんだろうけど。

世の中は狭いな。
私が今夜泊めてもらおうと思っていたこの男とクラブでぶつかった人が知り合いだなんて。
早く帰ってくれないかな。