いつからだろうか。
夢とか希望とか、そういう事に無心になったのは。

「……。」

ギシッ…ギシッ……。

音楽も何も流れてない部屋の中、ベットのきしむ音だけが静かに響き渡る。
暗闇に慣れはじめた目でふと私の上で動く男の顔を見る。
今初めて男の顔をまともに見たかもしれない。

名前も年齢も知らない男。

この男もまた、私の事を何も知らない。
これでいい。
知る必要性はない。
お互い、自分のメリットの為だけの関係。
それだけ。