そこまではスムーズにいったのだ。

でも飛び降りた瞬間、失敗したと直感で思った。

ポキリじゃなく、ぐじゃりという音。

それだけでだいたいなにが起こったのか見当がつく。

小一時間ほど待ってそろそろ寒いし眠いし、死ぬかなと期待を持ったとき端から見れば救世主の、私にすれば悪魔の声が聞こえた。

「キャー、大丈夫ですか?今救急車呼びますね」

そこからの展開は早かった。

救急車と一緒に警察も呼ばれたらしく、現場検証の声が聞こえる。

あと私の名前を大声で呼ぶ声も。

気がつけば真夜中の0時すぎ、とある救急センターに運ばれ目の前には家族の顔。