……待って、忘れてた。 もし婚約したことが周りにバレたら、私確実に死ぬ。 そう理解した瞬間、全身の血の気が引いた気がした。 「菜穂ー? 準備終わった?」 自分の部屋にいる私に、お母さんが一階から声をかける。 そこでようやく我に返り、私は荷物を持って一階に降りた。 うん、ちゃんと上条くんと話そう。 学校では今まで通りでいたいって。 そこだけは何としてでも折れたくなかった。 そして一階に降りると、タイミングよくインターフォンが鳴る。 上条くんが来たのだ。