一途で甘いキミの溺愛が止まらない。





「そ、そうです…桃原菜穂って言います」



申しますの方が良かったかな、とか敬語の勉強もっとしとけば良かったとか後悔が押し寄せてくる。



けど言ってしまったからには仕方がない。



社長さんの返答を待つ。
すると社長さんは優しく笑った。



その笑い方は、上条くんと似ていた。



「そんなに緊張しなくていいからね。
今回縁談を受け入れてくれてありがとう」



何故かお礼を言われる。



ありがとうなの…?
本来私がお礼を言うべきなんじゃ…



私が困っていたら、また社長さんが助けてくれる。



「蓮とは同じクラスなんだってね?
こんな可愛い子、蓮にはもったいないよ」



いや、それはこっちの台詞です、とさえも言えない私は相当なビビリだ。



「えっ…菜穂、上条さんの息子さんと同じクラスなのか…?」



そんな時、お父さんが私を見て驚いた。



「あ、う、うん…」



私だって相手が上条くんだって知った時、驚いたよ。