向こうは私のこと知っているとお父さんが言っていたのに、上条くんも私と同じようにお互い見つめ合って固まってしまう。
もしかして、上条くんも知らなかった…?
「蓮、どうしたんだ?
中に入りなさい」
上条くんは社長さんにそう言われ、我に返ったようで中に入った。
そして私と向かい合って座る。
何が起きてるの…?
上条くんって、御曹司だったの…?
そもそも私、上条くんと婚約して…いつかは結婚するの?
どうしてこんな私と結婚することを受け入れたのか、わからない。
というか本当に私が相手だって知らなかったんじゃ……
「君が菜穂ちゃんだね?」
混乱していると、突然社長さんに声をかけられる。



