一途で甘いキミの溺愛が止まらない。





蓮くんはそれ以上何も言わず、私の腕を引いて図書室を出ようとした。



「あ…れ、蓮くん鞄が…」
「そんなの後で誰かに取りにいかせる」



蓮くんの声がいつになく低く、怒っているのがわかる。



一度図書室を出る前に秋野くんの方を振り向けば、秋野くんはふっと小さく笑った。



そして『がんばれよ』と口を動かし、最後にどこか切なげに笑った秋野くんを見たのを最後に、私は蓮くんと図書室を後にした。



やっぱり秋野くんは私のためにわざとあんなことを言ってくれたんだ。



嬉しい、ような…だけど蓮くんを怒らせてしまったかもしれない。



だけどせっかく秋野くんが手伝ってくれたのだ。



無駄にしてはいけないと思い、絶対に蓮くんに想いを伝えるんだって思った。