「本当に可哀想だよな、桃原。
自分の意見言えないまま上条に振り回されて」
あまりにも秋野くんがきつく言うから、逆に怪しいと思って考えてみる。
もしかして、これが秋野くんの言う手伝うってこと……?
だとしても言い方がきつくて、心配になり蓮くんを見れば、ふと蓮くんから笑顔が消えていた。
綺麗だったけれど、無表情になる蓮くんに思わず肩が震える。
「……別に、さ。
それは俺と菜穂の問題であって、関係のない秋野が入ってくる必要ないよね?
どんな手を使っても好きな女の子を手に入れたいからね、俺。
いい加減、菜穂から離れてくれない?
君が触れていい存在じゃないから、菜穂は」
蓮くんはそう言って、私の腕を引く。
そしたら簡単に秋野くんの手が離れた。



