「お前って本当に不器用なんだな」
「だ、だって…今更かなって、思って…」
「それだといつまでも言えねぇだろ?
バカだな本当」
不器用、とかバカ、とかマイナスな言葉を言われて心に刺さる。
さすがに落ち込んでしまった私を見て、また秋野くんがため息をついた。
「……ったく、俺が手伝ってやってもいいけど?」
「えっ…手伝う…?」
秋野くんの言葉がすぐには理解できなくて、思わず聞き返してしまった。
「そう。
その代わりお代はもらうけど」
お代…秋野くん、金欠とかなのかな?
だけどこれはきっかけだと思った。
蓮くんに想いを伝えるチャンスだと。
「じゃ、じゃあお願いしたいです…!」
「…今上条はどこいんの?もう帰ってるとか?」
「いや、あの外で待ってると思う…」
「ふーん。じゃあちょうどいいな」
ちょうどいいってもしかして…今日、とかじゃないよね?



