一体何を言われるんだろうと、身構えていたら……
突然二人から頭を下げられた。
「えっ…?二人ともいきなりどうして」
「菜穂、頼む!
こんな俺たちをどうか許してくれ…!」
「は、はい?」
「ごめんね、菜穂」
二人とも謝罪の言葉を口にするけど、理由がわからない。
「二人とも、どういうこと…?」
謝罪よりも先に説明がほしくて聞き返すと、ようやく頭をあげた二人に説明された。
「実はな、今お父さんたちの会社はギリギリ黒字の状態なんだ」
それは初めて聞くことで、驚いた。
私のお父さんは小さな会社を立ち上げた人で、いくら小さくても従業員を雇う側にいる社長。
そんなお父さんを支えているのはお母さんで、それと後数人の従業員で働いていた。
何度か仕事場に行ったことがあるから、どんな感じなのかは知っていたけど…
まさか経営状態がギリギリだったなんて。
それは知らなかった。