「……うう…だるい…」
門を通り、自分の靴箱に手をついて一息をつく。
どうしよう、今日は午前までだから病院行こうかな…。
でも心配かけさせたくないし、寝たら治る気もする。
「……おい」
だけどこれ以上悪化したらやばいかもしれない。
「おい、桃原。
邪魔」
「……え、あっ、秋野くん…!
ご、ごめんね…おはよう」
声のした方を向けば、いつも通り不機嫌そうな顔で私を見てくる秋野くんがいた。
実は図書室での一件以来、挨拶や軽く言葉を交わす程度にまで進展した私たち。
みんなにはよく喋れるねって言われるけど、話してみれば秋野くんはいい人だし他のみんなと変わらない。
「……はよ」
ほら。
今だって挨拶を返してくれた。