一途で甘いキミの溺愛が止まらない。





ーーー結局、本当に帰ることになった私たち。



蓮くんも私も私服に着替え、迎えに来てくれた車に乗り込む。



帰り道はお互い、特に何も話すことなく隣同士で座っていた。



ただ沈黙が続いても気まずく感じないのは、きっと蓮くんに片方の手が握られているから。



温かくて、家に着くまでずっとこうしていたいって思った。



そしてしばらく経ち、家に着いた。



「菜穂、先にお風呂入っておいで」
「え…あ、うん……」



なんとなく二人でお話したりとか、抱きしめられたりするのかなって思っていたから、勘違いがすごく恥ずかしかった。



それを隠すように急いで浴室へと逃げる。



洗面所の鏡に映る私の顔は、ほんのり赤くて照れていた。



なんてことを考えていたんだろうって。