「本当に菜穂は優しいね。
温かい」
「私なんかより…蓮くんの方が、優しいから…」
「……あー、ダメだ。
ダメだよ菜穂」
「えっ……?」
何がダメなのかわからなくて聞き返す。
「もう無理、今日は帰ろう。
ちゃんと挨拶したし俺の役目は終わったから父さんに連絡する。
菜穂、迎え呼ぶから服着替えといでね」
「え、あ、でも…」
「いいから。帰るって決めた」
それだけ言って蓮くんは私から離れ、部屋から出てしまう。
名残惜しい気分になったけれど、呼び止めるわけにもいかないからただ閉まるドアを見つめた。
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