それは一大事だった。
絶対蓮くんは傷ついてるに決まってる。
「蓮くん…！
さっき女の人たちが言ってた言葉、気にしたらダメ、だからね…！」
涙目で、絶対今の私ブサイクだろうけど気にしない。
蓮くんを見上げれば、私を見て蓮くんは目を見張る。
「菜穂…」
「蓮くんはすごく優しいしかっこいいし、周り優先してくれる人、なのに…どうしてあんな言い方されないといけないの…？」
私のことじゃないけれど、余計涙が溢れてしまう。
「…今の菜穂の言葉だけで十分だよ。
逆にああ言われてるのに慣れてるから、菜穂の言葉が新鮮で本当に嬉しい」
そう言って蓮くんがまた抱きしめる力を強める。
今回は私からも蓮くんの背中に手をまわして抱きしめ返した。
