「…菜穂、怖かったよね。
ごめんね助けるの遅くなって」
蓮くんは悪くないし、むしろ私が謝らなきゃいけないのに。
私も何か言わないとって思うけれど、私自身さっきの女の人たちが怖くて、やっと安心できる自分がいて。
安心感のあまり、自然と涙が溢れてきた。
私が悪いのに、私が勝手に行動したのに、泣くだなんて最悪だ。
「ごめんなさい…蓮くん、ごめんなさい…私が悪いのに…」
「菜穂は何も悪くないよ。
正直言うとすごく嬉しかった。
菜穂が俺のこと庇ってくれて」
「……え…？」
庇ってくれて…？
じゃあ、もしかして蓮くんも聞いてたってこと…？
