「この子が悪いことしたのなら謝ります。
本当にすいません」
「い、いやあの…素敵な婚約者ですね…!
あはは…し、失礼します…!」
「ちょ、逃げないでよ…!」
最終的に三人全員が挨拶をして会場から出て行ってしまう。
蓮くんを見てここまで変わるなんて、驚きで私は声も出なかった。
少しの間、お互い何も話さないでいれば、蓮くんが私の方を向いた。
「……菜穂」
思わずビクッと肩が震える。
だって蓮くんに迷惑をかけてしまったのだから。
怒られるかもしれないと素直に思った。
「あ、あの…本当にごめんなさ…きゃっ」
謝ろうとしたら突然手を握られ、蓮くんは歩き出してしまう。
だから自然と足が動き、蓮くんについていく形になる。



