「…本当に若いのにしっかりしてるのね」
「さすが上条さんの息子さんだわ」
その時私の近くで話す三人の女の人が蓮くんの話をし出した。
あんな立派な挨拶をした蓮くんだ、そう言われるのも当然なのだろう。
「逆に上条さんの息子さんだからあれぐらいはできないとねぇ」
そのうちの一人がどこか嫌味っぽい言い方をする。
ムッとしたけれど、ここは我慢しようと思いつつもまた耳を傾ける。
「でもあの子、本当に丸くなったわ」
「…えっ、何それどういうこと?」
「昔はあんな感じじゃなかったの?」
えっ……?
丸くなった?
それは私も驚いて、思わず女の人たちの方を見てしまいそうになるが、必死で耐える。



