「こっち、かな…」 本当に広いから、わからなかったのだ。 昔の記憶をたどってみると、やっぱり合っていた。 どうやら本当に私は一度、ここに来たことがあるらしい。 それを思い出したところで何もないし、だけど何故かしっくりこない。 まだモヤモヤした感じがある。 だけど考えてもわからないから、私は少し心を落ち着かせてからまた会場に戻ると、ちょうどその時に蓮くんの挨拶が始まるところだった。