「蓮様、いくら社長が挨拶をしなくていいって言ったとしても、挨拶をしないといけません。
それが常識というものです」
「それでも俺はやらないよ?
今日は菜穂から離れないって決めたんだ」
「そんなの挨拶なんてほんの少しの時間です。
その間は私が桃原様のお側にいます」
「何言ってるの?
無理だよ、菜穂が俺以外の男と一緒にいるだなんて考えられない」
蓮くんはそう言うと、私の腰に手をまわす。
「蓮様、私はあくまで執事として桃原様をお守りするだけです」
「だから俺が守るの」
やっぱりスーツを着た人は執事さんだったらしく、蓮くんを説得している。



