「れ、蓮くん…!
ちゃんと会場に行こう?
今日はダメだよ…!」
このままじゃ本当に蓮くんがパーティに参加しなくなっちゃう。
社長さんの息子として、それはいけないことだ。
「……な、菜穂…?」
するとさっきまで私の腕を引っ張って歩き出した蓮くんが、その場で立ち止まる。
やっと聞いてくれたのだと思い、安心していたら蓮くんが勢いよくこちらを向いた。
「い、い、い、今なんて…!?
きょ、今日はダメって、言わなかった…!?」
「……え?
そう言ったよ?」
蓮くんは何をそんなに驚くような、焦っているんだろう。



