半分は交わった視線から逃れるように、もう半分は受け入れるようにして目を閉じる。
そんな私を見て、蓮くんは小さく笑った。
恥ずかしい、けど…迷わずに目を閉じた私はきっと……蓮くんにキスを、してほしいのだと思う。
どうしてそう思うのかは考えても答えは出ないし、自分は変態なんじゃないかって心配すらしてしまうけど、この感情に逆らうのはできないし、制御すらできていない。
そっと蓮くんの手が私の頬に触れた。
それはキスをする合図かのようで。
蓮くんの息がかかる。
きっと、もうすぐ唇と唇が触れ合う……。
その、瞬間。
ノックもなしに突然ガチャリとドアが開いた。



