「じゃあキスしていい?
…でもグロス塗られてるね。
もーどうして塗ったの?
こうなったらグロスとれてもいっか」
「で、でも蓮くんにもついちゃうから…」
キスが嫌ってわけじゃなかったから、遠回しに断る。
「大丈夫だよ、どうにかなるから。
それに菜穂は塗り直して貰えばいいよね」
だけど蓮くんは聞いてくれなくて、その上自分で解決してしまった。
そして私と少し距離を開け、前のように顎を持ち上げられる。
蓮くんと交わる視線。
その近い距離にドキドキして、また蓮くんのペースで、任せるしかなかった。
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