一人で慌てていると、突然ガチャリとドアが開いた。
ついに来てしまったのだ。
もう諦めて、すでに恥ずかしいけどゆっくりとドアの方を見れば……。
「……っ!?」
一瞬、息をするのを忘れてしまった。
視界に映ったのは、正装の蓮くんで。
高校生には見えずさらに大人びている。
かっこよすぎてもはや言葉も出ない。
そんな蓮くんもまた、目を見張って驚き固まっていた。
しばらくの間、お互い見つめ合って何も話さない状態が続いていると……。
「……な、菜穂…?」
蓮くんがようやく口を開いた。
「は、はい」
蓮くんの雰囲気がいつもと違う感じがして、返事をするのさえも緊張してしまう。
「と、尊い……」
「……蓮くん…?」
尊い…?
蓮くんがなんて言ったのか、上手く聞き取れなかった。



