そうこうしているうちに教室に着いてしまう。
先に私が中に入って、その後に上条くんが続いた。
自分の席まで行き、鞄を手に取る。
どうしよう。
本当にどうすればいい?
頭の中はまだ混乱状態だったのだけど、固まっていれば不自然に思われてしまう。
だから意を決して上条くんに話しかけようと振り向く。
私は窓際の一番端の席で、上条くんは三列横だから、振り向けばすぐに目が合った。
いや、上条くんも私を見ていたから目が合ったのだ。
「……桃原さん」
低い声で、私の名前を呼ぶ上条くん。
やっぱり真剣な瞳をしていた。



