もちろん私は逆らえないから、蓮くんの方を見るしかない。
ドキドキと心臓の音がうるさく鳴る中、ゆっくりと蓮くんへと視線を移す。
ついさっきまで子犬のようにキラキラと輝いていたのに、今はもう“男の人”だ。
「本当にさ、どうしてこんなに可愛いんだろうね。
可愛すぎて毎回理性保つのに必死だよ」
「理性…」
「そうだよ。
菜穂が可愛すぎるから、いつもキスしたくなる。
我慢してるの、俺。
偉いでしょ?」
「……っ!?」
キス…したくなるって…言ったよね…?
蓮くん、そんなこと思ってたんだ…。
だけど、可愛すぎってことは、可愛い子見る度にキスしたくなるってことだよね。
そう考えたらチクリと胸が痛んだ。
何だろう、この気持ち。
蓮くんが他の女の人と……って考えたら、苦しい。



