「…俺ってさ、弱いんだよね」



いつもの口調、だったけれど蓮くんの口からこぼれた本音。



私は何も返さず、じっと静かに聞く。



「よく、“しっかりしてて立派な後継者”って言われるんだけど、そう見せてるだけであって、本当はいつも重圧にやられそうになる」



だんだんと口調が弱くなっていって、だけど私を抱きしめる力は強くなる。



でも嫌じゃないよっていう意思表示も込めて、私からも蓮くんを抱きしめ返した。



「いつも余裕なんてなくて、必死。
ダサいんだよ俺は」



自分を下げるようなことを言わないでほしいと思った。