そしてコーヒーを淹れ、部屋に戻る。
部屋に入ってすぐ、蓮くんが反応するかと思えば……。
「無理、死ぬ…菜穂がいないと何もできない、死ぬ助けて菜穂、もう生きてけない…」
机に顔を伏せ、何やらブツブツと呟いていた。
「れ、蓮くん…!?
どうしたの…!?」
思わず名前を呼んで駆け寄れば、子犬のように目を輝かせた蓮くんが私を見た。
いつもはかっこいいのだけれど、今はギャップがあって可愛いと思ってしまう。
「菜穂…!
やっと戻ってきた、遅いよ…」
「ご、ごめんね…!」
ついキッチンで考え事をしていたから、遅くなって蓮くんに心配かけさせてしまったのか。
次からは気をつけようと思った。



