「あ…えっと…」 「俺、菜穂がいないと頑張れないよ」 蓮くんの方を向けば、ひどく悲しげに私の方を見ていた。 「れ、蓮くんにコーヒーでも淹れてあげようかなって思って…すぐ戻るから…!」 「俺のために?」 「う、うん…」 「…ありがとう、菜穂…本当に素敵な未来の妻だよ、ありがとう」 すると蓮くんは泣きそうになりながらお礼を言ってきた。 「そ、そんな…泣かなくていいからね…! すぐ戻ってくるね!」 そう言って私は部屋を後にし、急いでリビングへと向かった。