それからしばらくの間、私も集中してやっていたのだけど……。
スマホで時間を確認する。
なんと蓮くんがパソコンと向き合ってから三時間以上経っていて。
なのに蓮くんは伸びすらしない。
ただ体勢を崩さず、パソコンに向かっていた。
絶対しんどいはずなのに、疲れているはずなのに。
まるで何かに取り憑かれたかのようにカタカタと文字を打ったり、マウスをいじったりするだけ。
たまにスマホを触ったかと思えば、スマホでも文字を打ったり電話をしたりするだけで、多分仕事関係のことだろう。
三時間以上もこの感じだなんて…見ている私が耐えられない。
だから何かコーヒーでも淹れて出そうと思い、立ち上がって部屋を出ようとする。
そしたら……。
「どこに行くの?」
今まで一度も振り向かなかった蓮くんが、初めて私の方を向いて声をかけられた。



