「菜穂、今日はね、お願いがあるんだ」
「お願い…?」



一階に降りて、椅子に座った時。
蓮くんにそう言われた。



「今日ね、父さんから仕事を頼まれたんだ。


それで部屋にこもりっぱなしになるからね、菜穂も俺の部屋にいててほしい」



「えっ……?」



仕事を頼まれた…?
てことは、私がいたら邪魔なんじゃ。



「私は何をすればいいの…?」



「俺の部屋にいてくれるだけでいいから。


菜穂の存在が、菜穂と同じ空気を吸うことが俺の元気になるんだ」



そ、そこまで…?



いつも思うけど、蓮くんは私を持ち上げすぎだと思う。